疲労臭 特徴

アンモニアが原因となる疲労臭の5つの特徴と発生メカニズム

人の「体臭」にはいろいろな種類があり、その臭いも人それぞれです。このような人の体臭に対して、他人の臭いには敏感で、自分の臭いには鈍感だという傾向にあるようです。自分の臭いとは四六時中一緒なので、当たり前の慣れた臭いとして気づきにくいのでしょう。ところで、最近は若い健康な人の間でも、「疲労臭」という体臭が増えてきています。

 

 

 

疲労臭ってなに?どんな特徴なの?」。名前のとおり体の疲労によって発生する体臭なのですが、「ツンと鼻を突くようなアンモニアの臭い」が特徴です。この疲労臭は、代表的な体臭として知られる、ワキガ臭や加齢臭や汗臭とは異なった特徴を持つタイプの体臭なのです。この疲労臭について症状の特徴や発生のメカニズム、そして対処法などについてお伝えします。

 

 

疲労臭とは?どんな臭い?

 

疲労臭」と呼ばれる理由は、身体的疲労や精神的ストレスの蓄積によって肝臓や腎臓や腸などの内臓器が疲労・疲弊して、その働きが低下することに起因するからです。疲労臭の際立った臭いの特徴は、アンモニア臭です。

 

 

疲労臭は疲労蓄積の警告シグナル

人は、身体的疲労や精神的ストレスが溜まると免疫力の低下を招くとともに内臓器官の疲労による機能低下・不全をも招きます。これらの機能低下・不全の状態では、有害なアンモニアが大量に生成されるばかりで、肝臓による分解・解毒化が正常に行なわれずに体内に流れ出します。このアンモニアが汗腺から汗とともに分泌される時に発生するのが疲労臭の特徴なのです。

 

 

 

アンモニアの生成や分解に関わる体内の主な組織は、肝臓、腎臓、腸管、筋肉(骨格)などです。これらの組織が疲労・疲弊すると有害なアンモニアの分解・解毒・無臭化などの作用が行なわれずに皮膚から分泌されてしまうのです。つまり疲労臭とは、疲労蓄積の警告シグナルなのです。

 

 

疲労臭を発生しやすいタイプの人

疲労臭は、身体的疲れやストレスの蓄積によって内臓諸器官が機能低下して引き起こされるもの。したがって遺伝や年齢などに特定されずに誰にでも起こり得る症状です。その中でも大きな影響要因となるのは、日常の生活習慣です。

 

 

 

疲労臭を発生しやすいタイプの人】とは、以下のような生活習慣の人です。

 

・仕事が忙しくて休養が取れず疲労が蓄積している人

 

・夜遊び・夜更かしなどの睡眠不足で疲労が蓄積している人

 

・アルコールを含む暴飲暴食などで肝臓を酷使している人

 

・乱れた食生活で栄養バランスが悪い人

 

・便秘などで腸内環境が悪化(腸内腐敗)している人

 

 

ワキガ臭や加齢臭とは異なる体臭

ワキガ臭」の特徴は、遺伝的要素が強く、10人に1人ぐらいの割合でしか発生しない体臭のひとつ。原因物質はタンパク質や脂肪やアンモニアで、汗腺(アポクリン腺)や皮脂腺から汗や脂肪と一緒に発汗された後で、皮膚常在菌の作用によって臭化されたものです。

 

 

 

加齢臭」の特徴は、字のごとく中高年から高齢者に多く40歳を過ぎたあたりから急増する体臭のひとつ。原因物質は、体内脂肪から生成された「ヘキサデセン酸」で、皮膚上に分泌されてから、活性酸素による酸化や、皮膚常在菌の作用によって「ノネナール」という加齢臭の元が生成されます。

 

 

 

疲労臭」の特徴は、字のごとく年齢や特定の病気など関係なく疲労した人であれば誰でも発生する可能性のある体臭のひとつ。身体的疲労や精神的ストレスの蓄積によって、特に肝臓や腸管などの内臓器の疲労と機能低下によって引き起こされます。

 

 

 

原因物質とは、ずばり「アンモニア」なので、疲労臭の独特の臭いとして、「ツンと鼻を突くアンモニア臭」を発生するのが特徴です。肝臓の疲れに因る機能低下などで、アンモニアの分解・無毒化が正常に行なわれず、体内に流出して汗腺や皮脂腺から分泌されてしまいます。疲労臭は、ワキガ臭や加齢臭のように皮膚常在菌の関与は関係なく、体内から放出されるアンモニアそのものの臭いなのです。

 

 

疲労臭の際立った5つの特徴

 

疲労臭には、よく知られたワキガ臭や加齢臭や汗臭とは異なる際だった特徴があります。この特徴を良く知ることで、間違った対処法を防止できるとともに、イヤなアンモニア臭を解消できる予防法や改善法が分かってきます。際立った5つの徴特をご紹介します。

 

 

1.疲労臭は汗に混じったアンモニア臭

疲労臭アンモニアそのものの臭いです。通常は肝臓でタンパク質などから分解されて無害化されて尿や汗とともに排出されますが、その時は無臭です。しかし肝臓が疲労して分解機能が低下すると完全な分解が行なわれないまま血中に流れ出した臭い付のアンモニアが汗とともに排出されるのです。

 

 

2.疲労臭は他の体臭とは発生メカニズムが異なる

ワキガ臭や加齢臭においては、臭いの原因となる物質が、汗腺や皮質腺から分泌された後で、皮膚に常在する細菌(常在菌)によって臭いが生成されます。しかし、疲労臭においては、皮膚における常在菌の関与はなく、汗とともに直接発散されるアンモニアそのものの臭いなのです。

 

 

3.皮膚表面のスキンケアでは消臭できない

ワキガ臭や加齢臭や汗臭などは、皮膚表面の常在菌が原因であるため、常在菌の消毒や殺菌によって臭いは解消することができます。しかし疲労臭の原因であるアンモニアは体内内から発散されるもの。いくら皮膚表面を清潔にし、常在菌を消毒・殺菌したとしても、瞬間的な消臭の効果しかなく、またアンモニア臭が体内から発散されるのです。

 

 

4.疲労臭の発生原因は疲労とストレスの蓄積

疲労臭は、汗とともに発散されるアンモニア臭であることから、アンモニアの臭いが消されないままで皮膚から発散されるメカニズムに問題があります。身体的疲労やストレスが蓄積すると、免疫機能の低下やアンモニアを分解・無毒化する肝臓の機能が低下して、正常なアンモニアの分解が行なわれなくなります

 

 

5.疲労臭は、遺伝・年齢に限定されず誰にでも発生しうる

ワキガ臭は遺伝で継承される10人に1人の割合でしか起こらない体臭で、加齢臭はおおよそ40歳以上で起こる体臭のことです。しかし疲労臭は働き過ぎや激しい運動などによる身体的疲労でも起こり得ます。また不規則な生活習慣や食習慣やストレスなどが原因でも起こります。つまり疲労臭とは、遺伝・年齢・性別などに限定されることなく、誰にでも発生する可能性が高い体臭なのです。

 

 

疲労臭(アンモニア臭)発生のメカニズム

 

疲労臭(=アンモニア臭)が発生するメカニズムを、アンモニアの体内生成から分解・無毒化、そして体外に排泄させるまでの過程を通して紹介します。アンモニアは体内でタンパク質が分解される時に生成されます。

 

 

体内でのアンモニアの生成

体内でのアンモニアの生成は、主に腸管腎臓で行われ、一部が骨格の筋肉でも生成されます。アンモニアの産出量は、腸内の環境悪化(便秘などでの腸内腐敗)や肝臓の機能低下、タンパク質の過剰摂取や激しい筋肉運動などで増加します。

 

 

 

腸管内で産出されるアンモニア量が最も多く、タンパク質(アミノ酸)や尿酸を腸内細菌が分解して生成されます。生成量は、腸内細菌のバランスに影響され、善玉菌が減少して悪玉菌が増加するとアンモニアが大量に産出されてしまいます。また、腎臓ではアンモニアの生成と同時に分解も行われていますが、生成量の方が多くなっています。また激しい筋肉運動を行うと疲労回復のために筋肉内のタンパク質(アミノ酸)が分解されてアンモニアが生成されます。

 

 

肝臓でのアンモニアの分解と無毒化

腸管や腎臓や筋肉で産出された有毒なアンモニアは、肝臓に集められ分解・無毒化されて尿素に変えられ尿となって体外に排出されます。肝臓でのアンモニアの分解・無毒化の過程は、尿素回路(オルニチンサイクル)と呼ばれています。

 

 

肝臓の機能低下によるアンモニアの体内流出

身体的疲労やストレスの蓄積、また乱れた生活習慣による肝臓の酷使は、肝臓の本来の活発な機能を低下させ、逆に肝臓の疲弊は身体的疲労やストレスを招くという悪循環を繰り返します。

 

 

 

肝臓の酷使などで機能が低下すると、尿素回路が正常に作用しなくなり、アンモニアが分解・無毒化されないまま、血液中に流出して体内に残留してしまうのです。この残留アンモニアが皮膚の汗腺から汗とともに排出されて疲労臭の原因となるのです

 

 

疲労臭の予防・改善方法????????

 

疲労臭の特徴は、その名のとおり“疲労”が原因であること。疲労臭の予防や改善の方法とは、身体的疲労やストレスを緩和して、肝臓の機能低下や腸内の環境悪化(悪玉菌の増殖)を防止することが最善の方法です。

 

 

疲労やストレスを溜めない生活習慣の改善

?疲労臭を改善するためには、まずは十分な睡眠時間を確保して身体的疲労やストレスを緩和させることが大切です。暴飲暴食や三大エネルギー栄養素(炭水化物・脂肪・タンパク質)に偏った食事は肝臓を酷使し疲弊させます。ビタミン・ミネラル・食物繊維をバランスよく摂る食生活に改善することが大切です。またアルコールの多量飲酒は、肝臓のアルコール分解・無毒化活動を促進させて尿素回路をおろそかにさせます。多量飲酒は疲労臭には禁物です。

 

肝臓機能の向上と活性化

肝臓は無言の重労働者です。多くの酸素を必要とするので、老化促進物質の活性酸素が発生します。また肝臓は抗酸化作用のあるビタミンCを特に消費します。抗酸化作用のあるポリフェノール類やビタミン類を多く含む緑黄色野菜や果物を欠かさず摂取すると肝臓の活性化に効果的です。

 

 

 

また肝臓の機能低下を回復されるために、有効な成分として知られているのが、オルニチンとクエン酸です。オルニチンはシジミに多く含まれ、クエン酸は梅干し、黒須、柑橘類などに含まれています。

 

 

腸内環境の改善と活性化

便秘などでの腸内腐敗はアンモニアなどのさまざまな有害物質を大量に産出し、免疫力の低下、肝臓機能の低下、身体的疲労、ストレスの増加などを招きます。さらにアンモニアの産出量は腸管内由来が最も多いということを覚えておきましょう。

 

 

 

疲労臭を予防するためには、まず腸内環境を整える食事に改善することが先決です。腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えるためには、食物繊維、ビタミン&ミネラル、そして乳酸菌やビフィズス菌が含まれる発酵食品などを積極的に摂取することです。

 

 

まとめ

疲労臭の特徴は、アンモニアの臭いです。肝臓が疲れるとアンモニアを無毒化できずに疲労臭となって排出されてしまうのです。身体的疲労やストレスは、肝臓の機能低下を招き、肝臓が疲弊すると逆に身体的疲労を招くという悪循環を繰り返します。肝臓を酷使しないように生活習慣を改善することが大切です。またアンモニアの産出量は腐敗した腸内からのものが最も多くなっているので、腸内環境の改善も重要です。